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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
最後の文化祭
515/688

第515巻

「あ、あれ……」

慌てて幌は手を離す。

運がいいのか悪いのか、ちょうど片付けが終わったようで、後輩らが教室へと外から入ってくる。

「伊野嶽先輩、片付け終わりました、よ……」

沢入がカラカラと扉を開けてくると、ギョッとした表情を見せる。

その後ろから岩嶋が急に立ち止まった沢入にぶつかる。

「どうしたんですか」

1年生の及川が止まった二人をかわすように教室内を覗き込んだ。

そして、琴子を見て、どうしようと考えている幌を見た。

「あ、お疲れ様です」

そして、くるりと戻ってどこかへ行こうといる及川を、幌が呼び止める。

「いやいやいやいや、大丈夫、大丈夫だからさ」

「せ、せやで。大丈夫やで」

幌と琴子の言葉に疑問を持ちながらも、何も言わずに3人は教室へと入った。

「それで、どうかしたんですか」

及川は幌のすぐ後ろの席に、沢入と岩嶋は琴子を挟むようにして座る。

「それで、どうかしたのですか」

再び沢入が聞く。

「まさか、告白されたとか……」

岩嶋が言ったが、慌てた様子で幌が言う。

「いやいやいや、まだだよ、まだ」

「まだ?」

琴子がそれに反応する。

ビクッとした幌はまたもや慌てた様子で立ち上がり、カバンをひったくるように持つと、それじゃあ明日な、と言って走って行ってしまった。

「まだ、ね」

「まだ、らしいね」

「卒業式のときかなぁ」

後輩3人は好き勝手なことを言うが、当事者である琴子はそれどころではない様子。

「まだ、まだっていつ?」

「いや先輩に言われましても分からないですよ。それこそ伊野嶽先輩に言われたとき、としか」

詰問される沢入の代わりに、琴子の後ろから岩嶋が答えた。

「そうやね。ま、気長に構えるか」

琴子はそれを結論としたようだ。

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