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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
最後の文化祭

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514/688

第514巻

「何笑とるん?」

琴子が幌へと聞く。

「ん?いや、同じこと考えてたんだなって」

「へ?」

琴子は幌の話が見えないようだ。

それを気にせずに、幌は話し続ける。

「何やねんや、それ」

困っていながらも、琴子は嬉しそうだ。

「さて、片付けはどうなったかな」

幌が立ち上がる。

気恥ずかしさからか、顔を少し赤くしているようにも見えた。

「……なあ幌」

「ん?」

「……いや、何もない」

それがどうしたのかは、幌には分からなかった。

「どうしたのさ」

「大丈夫やから」

「違うだろ」

琴子の前で膝立ちになり、両手をとる。

「そういう時には、大丈夫じゃないって、そういうことだろ」

その瞬間、琴子は涙を流した。

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