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第511巻
午後になると、人も勢いを増していく。
猫の手も借りたいほどの忙しさであるが、本当に借りるわけにはいかない。
特に、幌の出店は、全国的に有名になっていることから、人が途絶えることがなかった。
そういうこともあるから、料理部が休めたのは午後5時、初日の文化祭が終わったその時間だった。
「やっと終わったー」
幌が休憩室に使っているところで椅子に座って伸びていた。
「お疲れさん、ほれ、買うてきたで」
琴子が差し入れ風に持ってきたのはペットボトルの清涼飲料水だった。