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第500巻
焼き上げた生地を横に置いて、今度は生クリームを用意する。
「ここからは繰り返し、クリームを薄く乗せて、また生地を乗せる。さらにクリームを薄く乗せて、また重ねるんだ」
幌が説明をしながらも、それをしていく。
生クリームはとても薄く、2ミリあるかどうかぐらいであろう。
それを見ていた沢入が呟く。
「ミルクレープだ……」
「はい、正解。ミルクレープだよ。といってもお手製だから、見た目は気にしない」
たくさんの層ができているミルクレープが、幌の言葉とは対照的に整えられている。