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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
大学 見学編「神戸学院大学」
50/688

第50巻

第60章 大学見学 〜見学編 『神戸学院大学』〜 [1]


翌日、山門から幌たちにメールが届いた。

「今週の日曜日、いとこが暇だからって、その時に大学を見に行かないかっていう話なんだけど、いける人、連絡ください」

幌と桜はすぐに返信する。

「大丈夫です。今週日曜日、どこで集まるかとか決まったら連絡ください」

鈴は少し考えてから送る。

「分かりました。その日は開けておくように家の者に伝えておきます。諸事項は追って連絡をください」

琴子と雅は、カレンダーで予定を確認してから山門にメールを出す。

「ごめん。その日はすでに予定が入ってるんだ。大学祭の時にでも行くよ」

星井出と宮司は、すぐには返信せず、学校に行ってから話すことにした。

氷ノ山と文版は、メールが来ていることに気付かなかった。


学校にて。

幌たちが、放課後のちょっとした時間で山門に話を聞いていた。

「…それで、大阪からどれだけかかるんだ」

「『西日本旅客鉄道[JR西日本]』を使うことになるね。大阪から明石まで行って、そこからバスに乗る。電車だけで、だいたい40分ぐらいだね」

「バスはどれぐらいかかるんだ」

「『神姫バス』の北1番乗り場から出るバスのうち、66系統と『明石高校・免許試験場』方面の直通バスを除くすべてのバスがいくよ。だいたい30分ぐらいかかるみたいだよ」

山門はメモを見ながら言う。

「合わせて70分ぐらいか…」

「何時に待ち合わせ?」

電話をしていた雅がこっちに顔を向けた。

「向こうに午後1時。だから…」

「11時ぐらいに出れば、間に合うんじゃないか」

「そだねー。じゃあ、11時に大阪駅の中央改札口にある、『旅立ちの鐘』前に集合っていうことで」

「りょーかい」

それぞれがメモを取ったり取らなかったりして、そのまま部室へと向かった。


「残念やわー。ちょうどその日には、出かけなあかん用事があんねん」

部室で、琴子にその話を振ると残念そうなふりをしている顔をしながらそう言われる。

「そうか。そりゃ駄目だな…かといって……」

幌は、料理部の部室を見回した。

今回はタコ焼きとお好み焼きだ。

それぞれが好き勝手に作っては食べると繰り返している。

「先輩たちが行ってくれるとは思わないから……」

「つまり、私は行けへんっていうことや。それだけ分かればええわ」

そう言って、幌が作ったタコ焼きを普通に食べている。

「…あれ、琴子が作ったものは……」

「あんなもん、とうの昔に食べつくしたわ」

あっさりと琴子は言い切る。

「俺の分は……」

「新しく作ったらええやんか。なんぼでもできるやろ?」

それだけ言うと、皿の上に置かれていたタコ焼きは、すべて琴子の胃の中に収まってしまった。

「俺の分……」

幌は一瞬落ち込んだが、ため息をついて新しく作りだした。


幌が家に帰ると、まだ誰も帰っていない。

「なんだ…誰もいないのか……」

手紙受けを見てみると、いくらか手紙が突っ込まれている。

「だれからだ…」

それぞれダイレクトメールだの広告だのが入り混じっている。

「ほとんどいらないな」

そう言って最後の一つを見ると、知った名前が書かれていた。

「こいつ…まだ生きていたのか」

幌は苦笑いして、その手紙だけ抜き取った。

他の手紙は、テーブルの上に適当にばらまいておいた。


「ただいまーって、幌もう帰ってたんだ」

「そりゃそうだよ。部活終わるのが早かったから。掃除は先輩たちがやるって言ってくれたし。あ、そうそう。あの人から手紙来てたよ」

「あの人って…東京に住んでる、いとこ?」

「そーだよ」

手紙はすでに幌は読んでいる。

「遊びに来いってさ。秋にちょっとした連休があるだろってさ」

「ああ、11月に3連休はあるけど…その時に来いって?」

「そういうこと」

フライパンを火からおろしながら、桜に言う。

「暇だったらの話だけどね。その頃から、期末テスト向けの勉強を本格化させないといけないから…」

「私だけいこっかなー」

幌が、それぞれのさらにチャーハンを盛り付けている時、桜がぼそっと呟いた。

「いいんじゃないか。行って来れば。姉ちゃんは頭がいいわけだしね」

「頭がいいっていうけどさ。学校の成績がいいから頭がいいっていうわけじゃないよ」

皿を持って行きながら、桜が幌に言う。

「そうかな…」

「そうだよ」

疑問を持つ幌に対して、ほぼ即答する桜。

そのまま押し切られる形で、話は終わった。

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