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第496巻
「はい、お待たせしましたー」
幌が店へ戻ると、何人かが列を作っていた。
「あー、やっと帰って来た」
何やら琴子が幌を指さしながら文句を言っている。
「ちゃんと作れてるようだな」
幌が屋台の横から入る。
そして、琴子の手際を、琴子の肩越しに確認する。
沢入が今は会計を担当していて、岩嶋はいない。
及川もいない。
「岩嶋と及川は」
幌が琴子と場所を交換しながら聞いた。
「ああ、さっき大口注文があってね。それで渡しに行った」
「そっか」
こんな時のために、保温器は3つ用意している。
特に問題はない。