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第495巻
「お待たせしましたー」
5分ぐらいで、幌は天文部の部室へ顔を覗かせる。
「待ってたぞ」
島永が幌から保温容器を受け取る。
「中、確認してな」
幌が言うと、島永が蓋を開けて、紙皿を取り出していく。
「冷えてるな」
「アイス使ってるからな。しばらくは冷え冷えだよ」
保温容器の底には、隙間なく冷却剤が敷き詰められている。
ケーキなどを買った時に付いてくるあの氷を集めていたようだ。
「この容器はこのまま持って帰らないといけないから」
「おう、これで全部だ」
島永が確認すると、またどうぞと幌が言って、すぐに店へと帰った。




