491/688
第491巻
「具材の準備も終わったで」
「ありがと」
ホットプレートのそばに置いた冷蔵庫を覗きながら、琴子が話した。
今年も、他の部活の人たちが、幌が作ったクレープを買っていく。
そして、今回はそれだけではなかった。
「今年から、10個以上買った部活やクラスには、その会場やクラスへお運びしますよ」
出前サービスと呼んでいるこれは今年からだ。
ただ、10個もクレープを頼むようなところはそうそうない。
1個あたりさらに値段が増えるとなれば、ここで注文して持って帰った方が得だった。