第49巻
第59章 大学見学 〜行先編 ネット検索〜
翌日の放課後、色々探すこともあり、ついでと称してコンピューター部に幌たちは集まっていた。
「さて、それでははじめるとしよう」
山門が、パソコンをつけながら言った。
鈴は習いごとがあるとか言って、ここにはいなかった。
代わりに、なぜか千夏がいた。
「ところで、なんで千夏がこんなところにいるんだ」
「お姉さんが、習いごとによってこれないと言っていたので、その代理としています」
私服で来ているため、部屋の仲で一人浮いているような感覚を覚える。
「では、どこから調べてみる」
「一番近いのは…大阪電気通信大学か」
「摂南大学も近いよ」
「そのあたりから調べてみましょうか」
カタカタとキーボードをたたき、山門は情報をインターネットから引き出す。
「大阪電気通信大学について、最初に調べてみるね」
[大阪電気通信大学トップページ:http://www.osakac.ac.jp/]
「『数々の専門分野の学びを展開する“テクノロジーの総合大学”大阪電気通信大学』と書かれているね。実際に、情報分野の学部もあるし」
「例えば」
すぐ横で画面を見ていた幌が聞いてくる。
自分が行こうと考えていない大学も、見てみれば面白いところがあるかもしれないからだ。
「工学部・情報通信工学部・総合情報学部・医療福祉工学部、それと新しくできた金融経済学部。それぞれに色々な学科があって、大学院も併設されているみたいだね」
ホームページからいろいろなリンクをたどって、あちこちを見ていた。
「大学院もあるのか」
「工学研究科・総合情報学研究科・医療福祉工学研究科があるね。それぞれに特色があって、情報系統やそれと組み合わせた系統のものが強いみたいだね。医療関連にも力を入れつつ、工学関連のものも行うことができるようだよ」
「いろいろあるんだねー」
桜がそのページを横で見ながら、いろいろなことを考えていた。
「情報系も面白そうだけど…どうだろう、私にあってるのかな…」
「他の大学はないのか?」
「ネットで公開しているところなら、どこでもヒットするよ」
例えば…とか言いながら、さらっと打ち込む。
「神戸学院大学とか、自分のいとこがいる大学なんだけどね」
[神戸学院大学トップページ:http://www.kobegakuin.ac.jp/]
「ああ、そういやそんなこと言ってたな」
幌がさらっと流す。
「で、どんな大学なんだ」
「いわゆる総合大学に分類される大学だよ。栄養学部・法学部・経済学部・薬学部・人文学部・経済学部・総合リハビリテーション学部の7学部からなっているみたい。ほかに大学院も併設されていて、法学研究科・ 経済学研究科・人間文化学研究科・栄養学研究科・薬学研究科・食品薬品総合科学研究科と法科大学院があるよ」
「さすが、総合大学って言うだけはあるっていうことか」
腕組みをしながら星井出が言う。
「大学って、色々なものがあるから、それぞれが調べてみるのが一番かもね」
桜がそう言ったのを聞いて、すぐに幌が言った。
「じゃあ、それぞれが勝手に調べるということで。携帯とか学校のパソコンとか、家にもあるだろうし。調べられないことはないだろ」
「それでは、今日はこのぐらいで…」
千夏が座っていた椅子から立ち上がり、すぐに部室から出て行った。
「雪崩打って〜」
それから次々と帰っていく。
「じゃあ、自分も帰ろう」
最後の一人となった山門は、パソコンの電源を切ると、そのまま部室のカギを閉めて家へと帰った。