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第486巻
ようやく音が静かになる。
「印刷終わったかな」
山門が呟くと、座っていたキャスター付きの椅子を転がして、扉まで移動する。
扉を開けると、確かに印刷が終わっていた。
「んじゃあ、こいつら持っていくか。台車あっただろ」
「これですか?」
桜川がコンピューター室の隅にある4輪の台車を持ってきた。
「それそれ。教員用のエレベーターってのがあるから、それに乗せていくことにしよう。製本も終わってるはずだから、紙折り曲げないように気をつけて」
すでに鈴が、冊子を持って行っては台車に積んでいた。
2人もそれに協力を始めた。