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第483巻
あっという間に、1部だけ刷り上げられた。
「え、1部だけですか」
それで印刷を終了させる山門をみて、思わず桜川は声をあげる。
「ああ、これは試し。本当に予定通りできているかのテスト版だからね。これを情報部と公安部の部長に見せてから、本刷りに入るんだ」
そういって、山門はまた部屋から出ていく。
その一冊の本は、桜川が持って行った。
二人の後ろを、機械の電源を切って、USBのようなものを持っていくのが鈴だ。
3人は、そうして見本誌をもって情報部の部室を訪れた。