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第478巻
桜川が珍しそうに情報部の中をきょろきょろと見まわしている。
「どうかした?」
氷ノ山が桜川に声をかける。
「あ、いえ。初めてきたので、つい……」
いつの間にか書類は片付けられていて、何やら近所のスーパーの広告が机の上に置かれていた。
「今日は月に一度の特売の日でね」
氷ノ山がそう言いつつ、広告をひょいと摘み上げた。
「スーパー、行くんですか」
「行くよー。寮といっても、自分用の小型冷蔵庫を買ったからね。本当に冷蔵機能しかない一扉のものだけど」
「へぇ、買ったんだ」
そう言ったのは、星井出だ。




