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第473巻
氷ノ山は、校正用冊子に赤ペンでいろいろと記号を入れ込む。
一通り見終わると、さらに最初から確認をして、それから冊子を返した。
「星井出、終わったよ。直しておいてね」
「おう」
氷ノ山から受け取った冊子を確認しながら、星井出が言う。
「こんなに直しがあるのかよ」
「そうよ。あと1週間切ってるんだから、2日以内に直さないと、印刷に間に合わないわね」
壁にかかっているカレンダーには、パンフレット入稿最終日の文字が書かれている。
今から、あと2日間が勝負だ。
ちなみに、入稿はネット経由でするから、データは、全てがインターネットに接続しているパソコンの中でしていた。