458/688
第458巻
中間テストが終わる頃、つまり10月の中旬が過ぎると、一気に文化祭へとなだれ込んだ。
「今年で最後かぁ」
ふぅと深呼吸しつつ話しているのは、最後もずっと焼きつづけることになるであろう幌だ。
2年連続でほぼ1人で文化祭の料理部ブースを切り盛りしていると、かなり采配に慣れる。
それに、今年は部長だ。
何か特別な感じはする。
それでも幌は、今年のメニューをじっくりと考える暇はなかった。
受験ということもある。
しかし、それ以上に去年のことを思い出してしまうからだ。