451/688
第451巻
「受験やだなぁ……」
勉強しながら桜が愚痴っていた。
「しょうがないさ、大学受験するんだろ」
向かい合うようにして幌も勉強をしている。
体育大会も終わり、秋も深まってきた頃、二人は家のリビングの机で、勉強会を開いていた。
それぞれ行きたい大学があり、それに向けての勉強を続けている。
「この前の模試はB判定だったんだろ」
「うん」
「なら大丈夫さ」
幌が言いつつも、物理の計算をしていた。
桜の目標は甲南大学理学部だ。
一方の幌は、料理の腕をより磨き、栄養士となりたいという夢を抱くようになり、手野大学栄養学部を目指すことに切り替えた。