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第449巻
「………ん?」
ふと見ると、小麦粉はなくなっていた。
かなりの枚数が部屋の中にいる面々に配られたようだ。
「あ、なくなったんか」
幌の横で、自分の分を食べつくしていた琴子が覗き込んでいた。
「いやぁ、今焼いてるので最後だね」
「やてさ、みんな。これでかいさーんやで」
琴子がパンパンと両手で拍手すると、面々は不平不満を言いつつも、食器の片づけをし始めた。
「な?」
「いや、なにが『な?』なのかさっぱりなんだけど」
そういいつつも、幌は焼き具合をチェックしていた。