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第445巻
体育大会が終わるころには、だいたい1.5倍ぐらいの点差がついていた。
「いやぁ、負けちゃったねぇ」
桜が笑いながら言う。
実際のところ、勝っても負けても最後の体育大会。
これで終わりだという実感の方が強くある。
優勝したかどうかは二の次だ。
問題としているのは、そこじゃなくて、ただ、楽しめたか。
そこだった。
閉会式も無事に終わり、ここにバラバラになりながらも、桜たちは逆にまとまっていた。
「幌が打ち上げしようかって言ってたけど、どうする?」
「幌が作るんやったら、うちはついていくで」
琴子が桜に声をかける。