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第442巻
「そうだな」
星井出が氷ノ山に答える。
返事一つとっても、先生に聞かれているとあれば、妙なことは話せない。
見回りはおおよそ30分ごとに行われている。
1年生、2年生、3年生と班になって、顧問の先生とともに見回りをしている。
他校の生徒が来ていることもあるが、それよりも見回りで中心にしているのは、不審者についてだ。
「よその学校だと、バイクでやってきたっていうのもいたらしい。それも集団でな」
「本当?」
と言っても、ここも去年の文化祭で似たような事件はあった。
それを、二人とも忘れてはいない。