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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
3年生体育大会編
435/688

第435巻

「どう?」

坂上が川上のところへと帰ってきた。

「何もありませんよ。いつも通りです」

空はきれいに澄んでいる。

何も邪魔をするモノがない。

そこにチャックを開けるかのように、飛行機雲が一筋飛んでいく。

一陣の風が、本部席へと吹き込む。

さわっと、坂上が川上に近寄った。

「………」

何も言わないが、坂上が言いたいことは分かっている。

川上は、しっかりと分かっている。

ただ、それを言葉に紡ぐことができないだけだ。

「大丈夫」

坂上は川上に言った。

言わなくても、大丈夫だと。そう川上は受け取った。

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