428/688
第428巻
翌日、いよいよ体育大会の本番の日がやってきた。
朝、お昼用のお弁当を作っていた幌に、やっと起きてきた桜が声をかけてくる。
「おはよー」
「姉ちゃん、おはよう」
「ん、それは朝ごはんかな」
「昼ごはんだよ。朝はもうテーブルに置いてあるやつ」
早く食べてと幌がいうので、桜はすぐに椅子に座る。
「いただきまーす」
今日の幌が作った朝ご飯は、フレンチトーストにコーヒー、それにゆで卵だった。
フレンチトーストは、しっかりと卵液につけられていたようで、奥の奥まで味が染み込んでいた。
「んー、味がしゅんでいて、おいしー」
「そりゃどうもだよ」
幌は弁当を作り終わったらしく、桜と同じテーブルに座った。