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第427巻
真也の彼女は、他校にいる。
体育大会には見に来るとは言っていたものの、本当にこれるかどうかは分からない。
あまり活躍しそうにないから、当人に会うだけということのようだが。
「そっちの準備は大変そうだな」
「でも、先輩たちが教えてくれるから、まだ大丈夫。本番は明日だし」
その先輩らは、文版を筆頭にして機材を設置している。
「んじゃあ、私行くね」
「ああ、頑張ってな」
真也が手を振る。
「ま、元気そうで何よりだね」
香純がタッタッタッと駆けっていく歩美の後姿を見て、そっとつぶやいた。