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第419巻
幌たちが教室に戻ると、すでに放送部を除いた面々がそろっていた。
「おー、帰ってきたか」
幌の席に座っていたのは、星井出だ。
「んだよ、見当たらないって思ったら、まだだったのか」
「あんな人の波に埋もれるのはごめんだからな」
椅子から退いた星井出に、幌が答える。
すぐそばでは、雅がいた。
どうやら二人で何か話していたようだ。
「何話してたんだ」
「ん?」
この夏休みのことだよと、星井出が答えた。
「夏休みなぁ」
山門がぼんやりと窓から空を眺めつつ、上の空のような口調で話す。