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第412巻
「うーん……」
鈴は、紅茶を飲みつつも、考えていた。
「いつでも電話してって言ってもねぇ」
そわそわもしている。
携帯電話を、机の、今まで勉強していたノートの上において、山門に電話をかけようか悩んでいるところのようだ。
電話をするのはいいだろう。
でも、どういう用件でするか、それが一番の問題だ。
なんとなく、でも構いはしないだろう。
それであっても、なにか不安は残る。
その時、携帯が突然なった。
相手は、山門だ。
鈴は大慌てで紅茶を置いて、携帯に飛びついた。