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第411巻
夏休みももうすぐ終わる。
鈴は、家の自室で宿題をしていた。
そこに、コンコンとノックの音が響く。
「お嬢様、お紅茶が入りました」
女性の声が、聞こえてくる。
「どうぞ、お入りください」
シャーペンを机に置いて、招き入れる。
「失礼します」
扉が開き、メイドが部屋へと入る。
「こちらへ置いていただけますか」
ベッド脇にあるサイドテーブルへと、案内する。
「こちらでございましょうか」
メイドは置く前に一回鈴に聞いた。
「ええ、お願い」
カチャンと軽く音がして、サイドテーブルに紅茶一式が置かれたトレイが置かれた。