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第403巻
「ねーぇー、うみいこーよー」
こうなると、駄々っ子みたいなものだ。
食器を洗い終わった幌は、ため息ついて、桜に話す。
「学校の宿題はどうしたんだ」
「終わらせたに決まってるでしょ」
桜は、何が言いたいかわからない顔で幌に聞く。
「じゃあ、誰が暇か聞いてきなよ。大学受験なんだから、大概忙しいと思うけどね」
そう言った幌の目の前で、桜はあっという間にメールを送った。
鈴、琴子、その他友人へとだ。
しばらく待つ間、桜は棒付きアイスを頬張ることにしたようだ。
冷凍庫をあさっていた。