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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
体育大会 当日編
40/688

第40巻

第50章 体育大会 〜当日編 大会直前〜


体育大会も当日。

続々と運動場に生徒が集まってきた。

その間でも、放送部と公安部、コンピューター部や他の係りの人たちも、本部テントのところに集まってきた。

「おっはよー!」

生徒会会長である、長谷貝倫子が公安部のところにやってきた。

公安部は、放送部のすぐ横になっていたために、文版たちにも多少の影響があるのだった。

「会長、遅い」

副会長の糸川早伊(いとかわはやい)が、すばやく突っ込む。

「ごめんねー。ちょっと寝坊しちゃってね」

「…まあ、間に合ったからいいか」

糸川は、頭をかきながら言う。

「えっと、とりあえず、公安部の代表者、放送部の代表者、コンピューター部の代表者は、私のところに来てくれますか。伝えたいことがあるので」

マイクを使うこともなく、すぐそばにいたので口頭で言った。

最後の打ち合わせがあるらしい。


放送部では、文版が打ち合わせに行ったため二人が残された。

マイクの音量の確認や、コードのつなぎ部分も確認が終わっているため、暇そうにしていた。

後ろでは公安部とコンピューター部がパソコンの確認をしている。

「えっと、ソフトも入ったし、得点表もばっちりです。得点係との話し合いも済んでいますけど…」

鈴が順番に確認する。

「得点係と最終調整がいるんだな」

公安部の腕章をしている氷ノ山が聞くと、鈴は軽くうなづいた。

「分かった。ちょっと待ってて」

氷ノ山がパソコンの前から離れる。

まだ、クラスの出欠確認には時間がある。


氷ノ山は、得点係長を連れてきた。

「最後の確認をしたいので、ちょっと来ていただけますか」

先輩に対してだから、丁寧に応対する。

「あ、分かりました」

3年生の体操服を着ている人を連れてきた。

「御久し振りです。神郷守里(しんごうかみのさと)さん」

「あ、どうも」

180はあろうかという長身の彼は、模試の全国偏差値で5本の指に常時入っているという天才だった。

なぜ、こんなところにいるかは、本人以外誰も知らない。

「最後の確認ということで呼ばれたんですが…」

「よろしくお願いします。得点係の得点が正式なポイントになり、こちらはその集計及び報告書用の得点となる。それでいいのですよね」

「ええ、それで大丈夫です」

神郷がもっているプリント照合しながら答える。

「最後に聞いておきたいのですが、もしも、双方のポイント集計が異なった場合はどうなるのでしょうか」

「こちらが正式なポイントとなる以上、公式な報告書にも得点係が出したポイントが適応されることになります。ただ、得点係で集計が出来なくなった状態で、コンピューター部がポイントの算出が可能ならば、そちらが公式になります」

鈴が持っているプリントを見ながらうなづく。

「分かりました。ポイントの紙はいつ渡してくださるのでしょうか」

「こちらのポイントの集計が終了した時点で、お渡しできると思います」

最後にそのことをメモしてから、鈴は一礼した。

「ありがとうございます。では、よろしくお願いします」

あわてて神郷も言う。

「あ、こちらこそ。よろしくお願いします」

そして、二人は握手を交わした。

神郷はそれから得点係のところへ戻り、鈴は氷ノ山といろいろ雑談をしていた。


数分後、公安部たちの話し合いも終わり、それぞれのところへ戻っていった。

「話し合いはどうだった」

帰ってきた山門に鈴が聞く。

「最終ミーティングみたいなものさ。それぞれの手順の確認。得点係とか、他の係の代表はすでにいたから、呼ぶ必要がなかったんだろうな」

「どうでもいいけど、みんな勝つ自信ってある?」

唐突に桜が聞く。

「当たり前でしょ。勝ってナンボの体育大会よ」

文版が腕組みをして言う。

「学年優勝したら、先生がアイスおごってくれるって言ってたから…」

雅が言った。

その時、先生がマイクを持って聞いてきた。

「おい、このマイクって入るんか?」

体育大会の主催者である、体育科主幹教師の岩鳶克威(いわとびかつい)だった。

「あ、大丈夫です」

文版がすぐに答える。

岩鳶はうなづいてマイクに向かって話した。

「運動場にいる全生徒に告ぐ。これから、各クラスのところへ戻り、点呼を取ってもらうように。その後の指示は、また知らせる」

マイクの電源を切ってから、文版に返す。

「お前達も、クラスのほうに行って来い。入場の前には、戻ってくるようにしておけよ」

「分かりました」

文版が代表して答える。

それから、バラバラとクラスのほうへ向かって歩き出した。

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