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第394巻
夏季講習が終わると、お昼だ。
「いやぁ、今日は昼までだからこれで帰れるってのが良いよな」
「全くだ」
笑いながら学校から帰っているのは、宮司だ。
宮司は幌の横で歩いている。
宮司の反対側には、河澄があるいていた。
「しかし、もう3年生の、それも夏休みになっちまったんだな……」
両手を頭の後ろで組み、空を見上げつつ河澄が言った。
野球部である河澄であるが、早々に大会で負けてしまい、部活動から引退していた。
「まあな。9月になれば、最後の三者面談があるし、はやいやつなら、推薦入試が始まるだろうしな」
幌が2人に話す。