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第393巻
「それで、雅はどこに行くつもりだ?」
「俺か?俺はな、関学へ行くつもりだ」
関学は、『関西学院大学』という関西にある大学の名前だ。
「学部は?」
「文学部だな。いろんな本を読んでみたくてな、そういう研究もしてみたいんだ」
「文学部かぁ。しかしまあ、すごいところに飛び込んでいくな」
幌が、ぼにゃりと宙を見ながらつぶやいた。
「幌のも、結構難しいだろ。将来の夢がきちっと決まっていないとさ」
「まあな、そうかもな」
幌は顔を雅へと向け、それから答えた。