391/688
第391巻
梅雨もすっかりと晴れ渡り、夏本番といった日差しが降り注いでいる。
「梅雨明けしたって、気象庁が発表したってさ」
それは、7月に入ったばかりの頃。
太陽が、雲に隠れることなく、ガンガンに照っていた。
熱波は否応なしに幌たちを襲っていく。
教室にはクーラーがなく、うちわとミニ扇風機でどうにか過ごしていた。
あとちょっとで夏休みなのだが、今年の幌たちには、休みはほとんどなかった。
受験が、いよいよ始まりを告げようとしているのだ。
遠くの方で、ミンミンゼミが、激しく鳴き出した。