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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
修学旅行 三日目編
384/688

第384巻

幌たちが家に帰ると、ベッドへと桜はすぐに倒れ込む。

「いやぁ、家が一番だね」

「服ぐらい脱げよ……」

玄関のカギを締め、点々と落ちている桜の脱いだ靴下や、置いたカバンなんかを拾って桜の部屋に放り込む。

「土産のかばんはちゃんと別にしてるから」

「あいよー」

そう言って、桜はベッドへ腰かける。

放り込まれたカバンをながめつつ、ぼんやりと考えていた。

「どうしたのさ」

幌は桜に聞く。

「んー、もうちょっとで高校卒業なんだなーって」

幌が桜の横に座る。

「そうだね。今が6月だから、あと半年と少しもすれば入試だな」

「と、考えるとさ。なんだかさみしくなっちゃってね」

「いいんじゃないの?」

幌は、軽く答える。

「どういうこと」

「いや、だってさ。姉ちゃんはいつも自由だし。前向きだしさ。何とかなるんじゃないかなって」

よっとと声を出し、幌は、肩に手をかけようとしている桜の手を払いのけつつ、ベッドから立ち上がる。

「だからさ、深刻に考えなくていいんじゃないか」

「そうよね、そうだよね」

桜は、考えを吹っ切ったようだ。

うん、そうだ。と呟いて、幌の後に立ち上がる。

「今日はハンバーグが良いなぁ」

「はいはい。材料見てからな」

急に元気になった桜にホッとしつつも、胸を押しつけつつもたれかかってくる桜をうとましく感じる。

そんな複雑な雰囲気のまま、幌は桜を引きずりつつ、台所へ向かった。

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