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第373巻
鈴は悩んでいた。
「うーん……」
「どうしたの?」
桜が鈴の横からひょこっと顔を出す。
「ああ、これ」
「ん?」
桜が覗き込むと、そこには何やらマスコットのような人形があった。
河童のような、人魚のような、なにかふしぎな形をしている。
大きさは10cmもないだろう。手のひらに小さく乗るぐらいの大きさdあ。
「何それ」
「分かんない。なんかのマスコットらしいんだけど……」
近くにある小さな立て看板には、どうやらこの店のオリジナルキャラということが書かれている。
「いくらなの」
「これで315円」
「高くない?」
「だよね…」
鈴は、そっと元の場所にそのマスコット人形を戻した。