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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
体育大会 準備編
37/688

第37巻

第47章 体育大会 〜準備編 前日〜


体育大会の前日、それぞれの部活は、それぞれ動いていた。

「ったく。何でこんなことしなきゃならないんだよ」

コンピューター部の山門がぼやいた。

「がんばってくれよ。前まで情報部が担当してたらしいんだけど、その技術を持った先輩がいなくなったんだって」

「卒業か何かか?」

パソコンを抱えて、外へきた星井出とともに、山門と話し合っていた。

「そうらしいんだ。まあ、協力よろしく頼むよ」

「しゃーないな」

山門は、テントが張られたところの、その下に机を持ってきていた。

「そこにおいて」

星井出がそう言った。

「ここでいいんだな」

山門が確認すると、星井出はうなづいた。

「ああ、そこに置いておいてくれ」

山門は、おいてある机の上に、デスクトップ型のパソコンを置いた。

「…ふぅ」

まだ、本体だけなのに、かなり疲れているようだった。

「とりあえず、ソフトとかはいるのか?」

「まあ、『Microsoft Office Excel 2007』はいるね。関数でいろいろすることになるけど、式は大体分かってるから」

「じゃあ、本体と周辺機器が要るっていうことだな。まだ、向こうの部屋においてあるから、鈴と一緒に持ってくるよ」

「よろしく。コンセントとか、必要なものがあったら言ってくれ。出来る範囲で準備するから」

「ほいほい」

そういって、グラウンドではいろいろな準備をしている間で、数往復することになった。


「これで、最後…」

鈴も、山門のすぐ横に立っていた。

「よかったね。これで終わりだよ」

コードをつめた衣装ケースを外へ持ってきて、ようやく持ってくるものは無くなった。

「じゃあ、これからパソコンにコードをつなげていかないといけないんだ」

「…私はこれで…」

山門の言葉を聞いて、鈴はどこかへ歩いていこうとした。

その背中をつかんでいった。

「一緒にやってくれるよな」

鈴は恐る恐る振り返る。

「なっ!」

明らかに、任意といいながらも強制。

鈴はため息をついて山門の手伝いをすることになった。


そんな作業をしている横で、文版も、準備を進めていた。

「放送機器って、どこにおけばいいですか?」

公安部部長に聞く。

「ああ、中央テントだ。朝礼台が置いてあるところの、校門と反対側のところ。パソコンをいてあるところと同じテントだから、すぐ分かるって」

「ありがとうございます」

文版は、一礼してから、機器をそのテントに置きに行った。


「お二人さんとも、仲がよろしいようで」

文版は、パソコンの設定をしている鈴と山門を見ていた。

「茶化すなよ」

山門は、ケーブルにつけてある色で、どこに挿すかを覚えているようだった。

「つまり、忙しいって言うことね」

パソコンがおいてあるのは、テントの中の後ろ側。

一方、放送機器を置く場所は、その目の前になる。

「さて、コンセントが足りるかどうか…」

「どうにかなるんじゃない?」

豆見があっさりと言った。

「とりあえず、やっておこうよ。そうすれば、どうなるかわかるんじゃない?」

「そうねー」

語尾をやや下げながら、文版が答える。

二人の後ろでは、重たい荷物を持たされ、ちょっとふらついている宮司がいた。

「どうでもいいが、はやくどこにおくか言ってくれ」

「ああ、ここでいいわ」

文版は、指差した。

長机が3つつながっていた。

「へいへいっと」

一気に荷物を置いた。

放送で使うさまざまな機器を、よっこいしょという気合とともに、机の上においた。

「さて、リールは?」

「ここにあるよ」

山門が言ったところには、赤色をした延長ケーブルがあった。

タップが6つずつ、両面についており、巻き取れるようになっていた。

「たしか、100mだったはずだよ。だから、どこまでも伸ばせるはずー」

豆見がいった。

その時、鈴が文版に言ってきた。

「申し訳ありませんが、すこしばかり、のいていただけますか?」

文版は、急に言われたので足をのけた。

「ありがとうございます」

少しだけ頭を下げた。

どうやら、コードを踏んでいたようだ。

さらに、接続部分を、徹底的にラップでくるんでいた。

「わざと静電気を取り除いたものを使っているんです」

「磁石でも近づけたのか?」

「まあ、そのようなものです」

文版と鈴が話している間に、着々と準備は整えられていっていた。

空が、どこまでも透き通っていた。

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