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第363巻
「そう言えば、国立手野と一緒の行動もいいとか言ってたね」
桜がつぶやいた。
「あ、そういやそうだったな」
幌が答えるが、誰か知り合いがいたかと思いだそうとする。
二人いた。
ただ、同級生なのは1人だけだ。
「金内さんか」
「そ。彼女はちょうど同じ便で来てるからね。まあ、一緒に行ってくれるかどうかは知らないけど……」
ちらっと桜が金内の方向を向く。
友達と一緒に、金内は楽しそうにしていた。
「ま、良いんじゃないかな。俺らだけでも」
山門が、鈴と目配せをしながらしゃべった。