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第339巻
バスは、何事もなく、ホテルへと到着した。
「まずは、ロビーに集合。荷物をしっかり間違えずに持って行けよ」
高啓が、幌のクラスの全員に話す。
それを聞いて、前からわらわらと生徒が降りていく。
別のバスでは、桜たちが降りているのが見える。
「あ、幌」
「なに、姉ちゃん」
荷物を持った幌を、桜が呼びとめる。
「これもよろしく」
そう言いながら、桜の荷物を幌に持たせようとする。
「……飯作ってやんないぞ」
「あ、ごめん、ごめんって」
憮然としている幌に急に謝って、結局桜は荷物を自分で持った。