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第334巻
「さて、生徒はまだ来てないようですな」
佐々木が言うと、桃井が返す。
「まだ50分前ですからな。もうちょっとしたら着き始めるでしょう」
そう言って、二人は同時に笑った。
それから30分ほど過ぎ、集合時間の20分前になった時、最初の生徒がやってきた。
「桃井先生、おはようございます」
「おう、おはよう。君らが最初だな」
やってきたのは手野高校の氷ノ山だった。
そのすぐ後ろから、星井出が一緒にやってくる。
「こっちは佐々木公二郎先生だ。国立手野のな」
桃井が先に紹介する。
「初めまして。市立手野高校で、公安部部長をしている氷ノ山です」
「同じく、情報部部長の星井出です」
二人とも頭を下げて、佐々木に挨拶した。
「これから4日間、よろしく頼むよ」
「はいっ」
佐々木に言われ、二人は元気良く挨拶をした。