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第331巻
修学旅行の日は刻一刻と近づいていた。
「集合は伊丹空港で、午前10時。えっと集合場所は………」
桜は家で確認を続けていた。
「大阪モノレールの下だよ」
そこに幌がやってきた。
「今回は、男女合同だから、なかなか楽しいことになりそうだね」
「ねー。聞いた話だと、お金を安くするために、他の高校と合同になるらしいけど」
桜が話した噂は、幌はもう知っているようだった。
「国立手野だっけか」
「そそ。近所にあるけど、なかなか交流はないからねぇ」
「でも、前来たんじゃなかったか。ほら、金内さん」
「あ、そう言えばそうね」
桜がぽんと手を打って思い出したかのように言った。