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第325巻
新入生もだいたい部活に入った初夏の頃。
幌たちは、模試を受けていた。
キンコンカンコンとチャイムの音が鳴り終わると、監督をしていた先生が全員に告げる。
「よし、そこまで」
先生の声が響くと同時に、一気に教室はざわつく。
「いやー、これで終わりかぁー」
伸びをしているのは、山門だ。
「模試が終わっても、答え合わせが待ってるぞ」
横から星井出が言ってくる。
答案用紙を全部改修が終わると、ようやくバラバラと立ち上がれた。
「今度の模試っていつだっけ」
山門が星井出に聞く。
「1カ月後だな」
「うへぇ、また模試かよ」
「この時期は、どこの大学に行けるかってことを知るってのが目的だからな。いくらでも模試はあるぞ」
山門は、明らかに嫌そうな顔をした。