322/688
第322巻
「ま、こっち座って」
幌が椅子を勧める。
「ありがとうございます」
よいしょと言って、彼は座る。
「入部希望?」
「一応……」
そう言った途端、琴子が聞く。
「あんさん、名前は」
「及川太郎です」
「及川か、よっしゃ、歓迎するで」
琴子は、笑いながら及川にいった。
幌は立ち上がると、みんなに言った。
「じゃ、今日はあり合わせの材料で、何か作ろうか」
「今日は休憩やなかったんか」
ケケケと笑って琴子が幌に言うが、幌は取り合わずに残っている材料を探しに行った。