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第321巻
次の週の月曜日。
幌は、相変わらず料理部の部室にいた。
「さて、今日は来るかな」
「来な、困るやろ」
笑っているのは、幌の真向かいに座っている琴子だ。
沢入と岩嶋もすでに部室の中にいる。
「先輩、今日は何か作らないんですか?」
「今日は休憩。たまには休まないとね」
そう言って、幌は笑って言った。
そんな時、扉がカラカラと開かれた。
「あの……」
少年がひょっこりと顔をのぞかせる。
「おや、いらっしゃい」
「料理部、ですよね」
「そうやで」
その子が、ゆっくりと、部室に入ってきた。