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第316巻
「……ふぁ~」
桜は、背伸びをしながら起きた。
「姉ちゃん、いつも通りだな」
今日から高校3年生になる幌と桜であったが、今までと全く変わらない生活をしている。
「今年は受験の年だから、しっかり勉強しなきゃならないだろ」
「大丈夫、大丈夫」
ベッドに寝っ転がりながら、朝ごはんで呼びに来た幌に手を振りつつ、桜が適当に答える。
「それに、今日は4月2日でしょ。学校に行くのは7日からだし。宿題も終わらしているし、部活の方も大丈夫」
「…ならいいんだけど」
それよりも朝ごはんできたよと幌が続けて言うと、ばね仕掛けのおもちゃのように、ベッドから飛び起きた。