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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
外伝 それぞれの過去
315/688

第315巻/外伝11話目

「さて、これで全部かな」

幌の2年先輩になる、つまり幌たちが1年生の時、3年生となっている生徒会長の長谷貝倫子(はせがいともこ)が、同級生の副生徒会長の糸川早伊(いとかわはやい)に聞く。

生徒会室にどんと積まれているのは、次年度入学生の書類だ。

それぞれ入学のクラスごとに台車の上に山積みだ。

「長谷貝先輩、いますか」

そこへガラガラと扉を開けるのは、今年から料理部の部長になっている原洲甲中(はらすこううち)だ。

「おや、原洲くん?」

扉を閉めて、長谷貝が言う。

「来年、すごく料理がうまい生徒が入ってくるって聞いたんですけど」

「ああ、井野嶽幌(いのだけほろ)くんだね」

長谷貝がプリントアウトされている来年度入学者名簿を確認しながら原洲に答える。

「たしか、俺が中3になった時に同じ中学に入ってきてたな」

糸川が名簿を覗き込みながら言う。

「有名だったんですか」

「小学校のころにな、噂になっててな。その時は有ったことはなかったんだが、中学校に入った時、初めて出会ったんだ。同じ部活になってな」

「料理部ですか」

「中身は普通の料理部だったが、名前は家庭科クラブ、だったかな。その時に会うしかなかったんだけど、その時で、すでに普通の中学生って感じじゃなかったな」

「そうだったんですか」

へぇと思いつつ、原洲が答える。

「そうそう、すごく噂になっててな。いまでも、どこに行っても、幌の噂を聞く事ができるよ」

そんなことを思い出しつつ、原洲が聞いた。

「なら、やはり入る部活と言うのは……」

「料理部、だろうね」

長谷貝が原洲に答えた。

「そうですか、ならよかったです」

原洲が聞きたかったことは、どうやらそこらしい。

「ま、どこに入るかなんて、本人の希望次第だから、どこに行くかは決まってないことは、分かっててよ」

「それは、十分承知してます」

長谷貝の言葉に対して、原洲が簡単に、頬笑みながら答えた。

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