第311巻/外伝7話目
さて、2年生編が終了した。
ここでは、外伝と言うことで、彼らのより以前、中学校や小学校のころを見てみたいと思う。
「ねぇ、幌ってばぁ」
桜が、幌のベッドをゆする。
「なんだよねぇちゃん。まだ眠いんだけど」
「朝ごはん。どうするの?」
時計は、まだ午前6時を示している。
「ねぇちゃん、この前失敗したからって言って、すぐに俺に頼るのかぁ?」
「作ってみたんだけど、また失敗しちゃったから、こうして幌を起こそうとしてるんだよ?」
「なんだ、もう作っていたのか……」
幌がやれやれと言った感じで起きてくると、その料理を見てみる。
「あー、こりゃだめだわ」
幌がみるなり言いきった。
「黒こげの、ジャガイモの丸揚げ。パンは、これはバターつけすぎだよ。そして、冷凍物をどうやったらこんなところまでシヨシヨにできるの」
幌が箸でつまみあげてみたのは、すっかりと水分が抜けてしまって、食べることも苦労しそうだ。
「分かった。ねぇちゃんは、根本的に料理の才能がないんだと思う」
「だから、人に頼るんだよ。ね」
ね、と言って、幌をじっと見る。
幌はため息をついて、桜に言った。
「じゃあ、明日からは俺が作るよ」
「朝昼晩?」
「昼は給食だろ。だから、朝と晩だな」
「わーい」
桜は、大喜びをしていた。