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第303巻
そのメールを宮司が見たのは、年を越してから30分は過ぎていた。
「メールか……」
そう言いながら、宮司はニヤついていた。
「なにニヤついてるの?」
宮司のところへ、妹が近寄ってくる。
「ん、ああ。ほら、前紹介しただろ」
「彼女さん?」
「そ、彼女からのメール」
宮司が妹にメールを見せる。
「なるほどね、いいじゃん。私も彼氏いるし」
「いたっけか」
「宮がいない間に、私にだって彼氏ができたんだよ」
「そりゃいいな。いつか紹介してくれよ」
「いいよー」
そう言って、妹は笑っていた。