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第302巻
そして新年へと達した時、文版は家族と一緒にいた。
「あけまして、おめでとうございます」
テレビの中で、キャスターが声を出しているのとほとんど同じタイミングで、文版も言う。
「おめでとうございます」
文版の両親にと、言いたいところだったが、残念ながらすでに寝ていた。
だから、文版は独り言のような形になっていた。
「あ、そういえば、宮司は元気にしてるのかな…」
実家が遠いため、今年は宮司は文版と一緒にいない。
なにか、いろいろと忙しいらしい。
そのため、文版は届くかは分からなかったが、宮司へメールを送った。