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第298巻
30日になって、幌と桜の両親が帰ってきた。
「ただいまー」
「おかえりなさい」
「おかえりー」
二人がすぐに両親がいる玄関へ向かう。
「今日は何処から?」
「南米のブラジルから。あそこは、まだまだ未知の土地だねぇ」
すっかり日焼けした父親を見て、それから幌が言った。
「いつまでいるの?」
「4日までかな。6日から仕事があるから、それまでに現地に行かないとな」
「今度は何処に」
「オーストラリア。やっと長老たちの許可が下りたから、発掘することができるんだ」
幌の質問に、すぐに父親が答えた。