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第296巻
「いただきまーす」
いつの間にか炊かれたご飯と共に、幌たちは一斉に食べ始める。
「お、うまい」
「せやろ」
山門の言葉に、すぐに琴子が言う。
「確か、文化祭の時に食べただろ」
「あー、そうだったっけ」
幌の話は、都合よく忘れているようだ。
「ごちそーさまー」
山門が言うころには、幌はすでに食器を洗い始めていた。
「皿はこっちに持ってきてくれ。一緒に洗うから」
「分かった」
そう言って、山門はそのあたりにある食器と一緒に、幌のところへと持って行く。
「先帰っててもいいぞ。あそこらにいる元部長と一緒にいてもいいし」
幌が指さした先には、原洲がそのあたりにいた幌の同級生と話し込んでいた。
「そうさせてもらうか」
笑いながら、山門は幌の言うとおりにした。