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第294巻
料理部では、なぜか引退したはずの原洲が座っていた。
「あれ、原洲部長」
幌がすぐに見つけると、軽く手をあげる原洲に声をかける。
「勉強していると、急に幌の料理が食べたくなってね。ちょっと作ってくれないかな」
「いいですよ。どうせ今日は何か作ろうかと考えていましたし」
幌が山門たちと一緒にカバンをまとめておいて、それから材料の確認を始めた。
「えっと、なんで車エビが冷蔵庫に?」
幌が密封された車エビを見ながら、誰ともなく聞いてみる。
「あ、安かったから、買っておいたよ」
琴子が、なんなく答えた。




