第287巻
琴子を襲った犯人たちは後でやってきた警察へ、告訴状とともに引き渡された。
「ところで、何のようだったのかしら」
氷ノ山が一件落着となって、思い出したかのように聞く。
「ああ、そうでした。この高校に、幌の店があるって聞いたんですけど」
「なら、行ってみましょう。無事にいればいいけど」
氷ノ山が心配していたが、幌は普通に店にいた。
「ねえ幌。お客さん」
氷ノ山が幌の店へと、金内と彼氏を連れてきた。
「いらっしゃい。どうします」
「とりあえず、各種2つ…いや3つずつで」
「はいはい。部長。お会計お願いします」
裏から戻ってきた原洲へ、幌が言った。
「まいど」
会計をしている傍で、氷ノ山が周りに聞こえないような声で聞く。
「ねえ、琴子は大丈夫?」
「いや、大丈夫じゃなさそう」
「ついていてあげなくても大丈夫なの」
「そりゃ、できれば俺も一緒にいてやりたいさ。でもな、泣き顔を見られたくないって言って、追い出されたんだ」
「今はどこにいるの」
「プラネタリウム室。あそこで、姉ちゃんと友達と、あと鈴とかと一緒にいるはず」
「わかった」
氷ノ山が幌から聞くと、すぐにそこへ向かった。
翌日、琴子は休んだ。