284/688
第284巻
「もしもし、幌の店はどちらにあるでしょう」
それは外部からのお客さんだった。
だが、聞いてから、まずは相手を見て、次に氷ノ山を見て、最後に息を切らせてやってきた原洲を見た。
「あら、取り込み中?」
「そうや、姉ちゃんも、怪我したくなかったら、さっさとどっかにいかんかい」
リーダーっぽいのが、威嚇してくる。
「金内、場所わかったか…あらら」
金内と呼ばれた女子に近寄って行く彼氏のような男。
「どうした、喧嘩か?」
「その様子。加勢しようか悩んでてね」
この緊迫感に合わない、のんびりとした会話が続く。
「つべこべ言わず、どっかいけや!」
突然、我慢できなくなったか、バッドを振り回しながら男が金内へと飛びかかってきた。