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第281巻
琴子の友人の女子の片内木子が、琴子の案内で学校の中を見て回った。
「それでな、あっちがクラス展示の教室やな。そいで、向こうにあるんが、プラネタリウムやね。向こうは天文部がやってはるから、うちの友達やさかい。なんか見せてくれるやろ」
琴子が言いながら、店の間を通り抜けて行く。
「なんや、わても安心したわ」
片内が、ほっとした表情を見せながら、琴子に話す。
「どないしたんや」
「やって、わてな、琴子がちゃんとしとるかどうか気になっとってん。せやけど、ちゃんと楽しそうにしとるから、こら、心配することあらへんかったようやな」
「まあ、そんなとこやな」
それでも琴子が何か隠していることに、片内は気づいたようだ。